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動物との暮らしはいつも
私たちに癒しや幸福をもたらしてくれますが、
必ず看取りの時はやってきますし、
皆、初めからそれを分かったうえで
迎え入れていることと思います。
私の愛犬ポパイも
我が家に来たばかりの頃は
コロコロふわふわのあどけない子犬でした。
いたずら盛りで元気いっぱいの時期を経て
体格も中身も立派に成長し
毛は艶々
歯はピカピカ
毎日たくさん運動しても
全く落ち着きがなくて
いつになったら落ち着きが出るんだろうね
と家族で笑い合っていたのも
過ぎてみればあっという間でした。
いつの間にか
白い毛が増え
目が白く濁り
寝てる時間も増え
足が遅くなり…
少し老けたね
なんて言っていた時には
既にシニア期に突入しているんですよね。
動物の一生は人間に比べたら本当にあっという間です。
歳をとれば当然病気のリスクも上がります。
今は動物の医学も発達してきているので、
病気が判明せずに最期を迎えることの方が
少ないのではないでしょうか?
何かしら診断を受けたり、
中には余命を宣告された経験をお持ちの方も
多々いらっしゃると思います。
ポパイも14歳の時に
末期の血管肉腫が見つかり
3ヶ月という余命宣告を受けた経験があります。
飼い主としては、
どうにか生き延びれる方法はないのか?
治る可能性は見つからないのか?
例え1%でも希望を抱きたい想いでした。
残念ながら15歳を目前にして亡くなりましたが
余命宣告をされてからの2ヶ月は
少しでも長く生きて欲しい想いと
充分頑張ったから楽に逝って欲しいという想いで
葛藤を抱える毎日でした。
延命治療をしたい?
以前、延命治療をしている
高齢の猫ちゃんを飼われている方から
「延命治療をこの子がどう思っているのか、
本当はどうして欲しいのかを聞いてください」
とのご依頼があり
セッションをさせていただいたことがあります。
数年前のことなので
詳しい病名は忘れてしまいましたが、
毎日点滴のために通院し、
嫌がって飲まない苦いお薬を
口をこじ開けて必死で飲ませることで
命を繋いでいたようなのですが、
元気になるわけでも
病気が治るわけでもなく
ふと
「これでいいのかな?」
と思い悩まれていたようでした。
動物の価値観
さっそく猫ちゃんに治療のことを聞いてみると
第一声に帰ってきた言葉がこちらでした。
「人間って本当に不思議だよね〜。
なんで楽になるその時が
自然に近づいてきてるっていうのに、
わざわざ痛い思いや苦しい思いをしてまでも
少しでも長く生きようって思うの?
自分の病気の時でもそうするんでしょ?
痛い思いがしたいの?
痛い思いや苦しい思いを増やして
それでどうなるの???」
文字にすると強く見えてしまいますが、
言い方は責めるような言い方でも
怒ったような言い方でも全くなく、
なんで??という純粋な疑問
という感じで伝わってきました。
ただただ不思議なようで、
変なの〜という感じの言い方です。
「人間は死ぬのが怖いし、
死ぬことがこの世で一番
悲しいことって思っているから極力避けようとするんだよ。」
と伝えると
「自然な死でも怖いの?へぇ〜」
と驚きの様子でした。
飼い主さんへのこの子の答えとしては
「お母さんがずっと僕と一緒にいたいって思ってるのは
いつも言ってくれてるから知ってる。
治療をしたいかしたくないかで言ったら
僕はしたくないけど、お母さんが
僕に一日でも長く生きていて欲しい
と思っているんだったら
お母さんの好きなようにしていいよ。
お母さんが決めたことだったらそれでいいと思う。」
とのことでした。
自分よりも人のことを想える動物の心って
本当に寛大ですよね。
延命治療がダメなわけでは決してありません!
延命治療をして少しでも長く生きたいという
動物さんだっているでしょう。
延命治療をしたいかしたくないかは
その子によって違うと思いますので、
正解不正解はありません。
ただ、どの子にも共通して言えるのは
動物は死を恐れていない
ということです。
もちろん生きるために本能が備わっているので
怖いものから逃げたり
敵と戦ったり
体を守ったりして
一生懸命死の危険を回避して生きています。
こういった危機的な死のことではなく
逃れられない死は恐れていない
ということなのです。
今までお話ししたすべての子が
自分の死が近づいていることを悟った時に
自然に受け入れているのです。
それは何故かというと
死後の世界があるというのを
当たり前に知っているから
自分の存在がなくなるわけではないと
どの子も知っているのです。
もちろん天国に移動するのに
淋しさは感じていますが、
永遠の別れではないことも
亡くなる前から分かっているのです。
私たちがお引越しをするときの感覚に
似ているかなと思います。
慣れ親しんだ地を離れる時って
やっぱり寂しいけど、
絶望という感覚とは違いますよね
動物さんたちは死に対しての価値観が
私たちとはそもそも違うのだなぁと
感じさせられたセッションでした