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視力を失った猫とのお話し
以前セッションさせて頂いた猫のミーちゃんのお話しです。
ミーちゃんは元々は目が見えていましたが、
病気で徐々に視力を失い獣医さんに
「今はほぼ全盲だろう」
と診断されたとのことでした。
まずは視力の程度を本人に確認してみると、
確かにものは見えていませんが、光は感じられていました。
飼い主さんが気にしているのは、
見えなくなってしまったことをどう思っているのか
と
生活において困ることはあるのか
ということでした。
さっそく本人に聞いてみると
「見えないと言えば見えないんだけど、
感覚で見えているといえば見えてるんだ。
なんか…大体わかるでしょ?
部屋だって覚えてるし、
距離感だってなんとなく掴めるから
たまにコツンとぶつけちゃうこともあるけど、
特に困ってるってほどでもないし
あまり気にしてないかなぁ〜」
と教えてくれました。
これに飼い主さんは
「確かにたまに頭をぶつけたりしてるから
やっぱり見えないと大変かなぁ?」
と気になりながらも、本人は困った様子もなく
目が見えている時と同じように過ごしているし、
高いところにも普通に登れるんです。
困っていないならよかった!」
と安心しておられました![]()
猫の視力
猫の視力は人とは全く異なります。
もともと狩をする生き物なので、
人間に比べ動体視力や暗視能力は優れていますが、
普通の視力は人間の1/10
と言われています。
1/10といっても単純に
0.1くらいの見え方なのかというとそういうわけではなく、
目のつくり自体が違うので、
同じものを見ていても人間とは見え方が違います。
今の時点での研究では、
猫の視力は解像度が低く、
静止しているものは霞んで見えているそうです。
そして認識できる色も人間より少ないようですので、
狩り以外に使う視力は
そこまで重要ではないのかもしれません。
猫のひげ
猫のひげは切ったらだめ
と聞いたことはありませんか?
猫のひげはとても繊細なセンサーになっていて
平衡感覚を保つ
空気の流れを感じる
という役割があります。
ひげの先で障害物を感知したり、
空気の流れで障害物との距離を測ったり
することまでできちゃいます![]()
まさにもう一つの目のような
役割をしているんですね![]()
そのため、視力に対して
重きをおいていないのかもしれません。
今を生きる
私たち人間は、視力を失ってしまうと
できなくなってしまうことが
たくさんあるでしょうし、
それから先のことを考えると
とても重大なことですよね。
生活が一変することと思います。
しかし動物たちは
過去にすがったり、行く末を案じたりすることがなく
常に今を生きています。
ミーちゃんも淡々と(ひょうひょうと?)
受け入れていました。
動物さんの価値観を知り
私自身勉強になりました![]()